リンリンのこと当ブログを開設した2005年8月の時点では、上野動物園には2頭のジャイアントパンダが飼育公開されていました。
一頭は先日亡くなったリンリン、もう一頭は繁殖のためメキシコから来園していたメスのシュアンシュアンです。大柄で天真爛漫なシュアンシュアンは天性のスターで、見学者から注目を一身に浴びていました。
シュアンシュアンは、リンリンがメキシコの動物園に出張派遣されていた時に相性の良かったパンダとして繁殖を期待され来日していました。しかし、リンリンは彼女のパワフルさに怖れをなしていたようなのです。
彼女は来日当日に寝室のスノコを破壊し、大柄な彼女のために拡張したした木製の寝台も一週間後には、跡形も無く粉砕してしまいました。
休日に見学者が大挙して訪れ、フラッシュの嵐に見舞われると、わざわざ見学者の方へ近づいていき、中央にどっかりと座り込み愛嬌を振りまいたものでした。まさに「女傑」と言って良い、豪胆な性格のパンダでした。
帰国時の飼育員さんに対するテレビインタビューで、シュアンシュアンはジャイアントパンダとしては珍しい、吼えるパンダであったという事を聞きました。食餌の催促等をはっきりと声を出して主張するパンダであったようです。
おそらくガラスの向こうの飼育舎内全体に、シュアンシュアンの咆哮が轟きわたり、リンリンの耳にも届いていたことでしょう。
シュアンシュアンの名誉のために誤解されないように言葉を添えますと、彼女は決して凶暴なパンダではありませんでした。明るくサービス精神に溢れた彼女は、大輪のダリアのような存在でした(リンリンはタンポポか野菊)。
それにひきかえリンリンはというと、パンダ舎の水無し池の中でガックリと肩を落とし縮こまっているか、寝棚の上で背中を向けて丸まっている憔悴した感のある「つまらないパンダ」でした。
2005年の9月の末に、シュアンシュアンは惜しまれつつ故郷のメキシコ・チャプルテペック動物園へ帰国しました。そのとき私の正直な気持ちは、これからはあの動かないパンダを撮る事になるのか……、というものでした。ですから、この時期のジャイアントパンダの写真はシュアンシュアンのものばかりです。

(女傑・シュアンシュアン / 2007年7月13日撮影)
ところが、シュアンシュアンの去った後、中央の屋内飼育場に戻ったリンリンは、意外にもリラックスして、やんちゃな一面を見せてくれる事になるのです。
「そうだったのか……。怖かったんだね、リンリン」
見学者からはシュアンシュアンが帰国してしまって、孤独になったリンリンが可哀想という声が聞かれたましたが、あにはからんや、この時から彼は本来の人なつこい、気の良いパンダぶりを発揮していったのでした。この時期のリンリンは、よく食べよく動きよく眠り、わが世の春を謳歌していました(ただし見学者のカメラのフラッシュは苦手のようでしたが)。
私はリンリンの変貌ぶりとその理由を知り、彼に親近感を抱くようになりました。「ジャイアントパンダ」の愛嬌ある容姿と絶滅危惧種である希少種という理由で興味を持ったのではなく、「リンリン」という個性を好もしく思い、見学者の少ない雨の日を狙って写真を撮っていたのです。

(スーパーリラックス・リンリン / 2005年10月5日撮影)
この後のリンリンの写真は『
すみませんワタシは占い師』で管理人のmechaさんがまとめてくださったので、ぜひ御覧下さい。
リンリンは上野動物園所属になってから、3度もメキシコへ繁殖のため出張しました。さらにまだ北京動物園にいる時にも1度アメリカへ渡った事もあるそうです(推定ですが、彼は飼育員さんにとって扱いやすいパンダだったのではないかと思います)。
今思うと、優しい、小心なリンリンが良くやったと思います。彼も若かったのでしょうね。
最後の数日間4月18日(金) 寝室と公開飼育場の出入りが自由となる。
|
4月23日(水) 公開中止
4月24日(木) 再公開
4月25日(金) 公開
4月26日(土) 公開中止
4月27日(日) 再公開
4月28日(月) 休園日
4月29日(火) 公開中止
4月30日(水) 永眠
幸いにも(?)25日と27日にリンリンを撮影に行く事が出来ました。
「そろそろ時が来たようです」この日(25日)リンリンは見学者に向かって、何事かのシグナルを二度発しました。私にはそれが別れの挨拶に感じられてなりませんでした。
翌日は非公開になり翌々日の27日に再公開になりましたが、もうこの時は衰弱が進んでいて、いかに鈍感な私といえども、リンリンを直視する事が辛いような状態でした。
リンリンは飼育室の中央にある水が入っていない池の中に座り込み、長い間うなだれていました。25日も同じ体勢でしたので、あの格好が末期のリンリンには一番楽な格好だったのかもしれません。
「闘病中」結果的に公開最終日になった27日は日曜日であったため、見学者が多く、最前列に居座る事がはばかれたため、写真はいつもの3分の1くらいしか撮れませんでした。
「苦しいけれど、わがままは言いません」 (27日撮影)
この写真が私が生きているリンリンを撮った最後の1枚です。
「リンリンよ!リンリンよ!!!」 (25日撮影 2度目のシグナル)
「いつまでも友だちです」 (25日撮影 苦しさの波が一時的に過ぎると顔をあげてくれました)
このブログは皆さんを悲しませるために作っているものではありません。しかし、リンリンが病と最期まで雄々しく闘った事を伝えるため、あえて最期の公開日となった25日・27日の写真をアップさせていただきました。
私は「リンリン」という個性が好きでした。そしておそらく生涯彼のことは忘れないでしょう。上野動物園にリンリンという繊細な心を持った気の良いパンダがいた事を。
リンリンに会えて良かった!!ジャイアントパンダ リンリン (1985/9/15-2008/4/30)
- 2008/05/03(土) 02:16:08|
- パンダ [Giant Panda]
-
| トラックバック:0
-
| コメント:13
「リンリン、安らかに」 (25日撮影)
マスコミなどで既報の通り、ジャイアントパンダのリンリンが本日(4月30日)午前1時56分に亡くなりました。
「悲しい告知」
「リンリンの祭壇」
「気づかい」主室のとなりの副室(飼育員さんが掃除や食餌の支度をするときにリンリンが一時的に移動する部屋)にも、遺影が掲げられていました。動物園スタッフの細かい心配りに敬服しました。
「管理人からのお願い」遠方にお暮らしの方で、リンリンに哀悼の意を表するお気持ちのある方は、この写真の祭壇に合掌していただけませんでしょうか。
つづく
- 2008/04/30(水) 23:54:58|
- パンダ [Giant Panda]
-
| トラックバック:0
-
| コメント:13
「リンリンただいま治療中」すでにマスコミなどの報道でご存知の方も多いと思うが、本日(3/29)より、ジャイアントパンダのリンリンの公開が中止になりました。昨日は休園日であったため、実質上は3月28日からの非公開です。
「最新パンダ(リンリン)情報」動物園のスタッフも見学者のことを考えて、このような情報を逐一報告してくれています。
拙ブログとしても出来る限り上野動物園へ行って、リンリン情報を仕入れ、皆様にお伝えするつもりです。
今はただリンリンの回復を念ずるばかりです。
- 2008/04/29(火) 23:58:59|
- パンダ [Giant Panda]
-
| トラックバック:0
-
| コメント:6
「リンリンは療養中です」23日に体調不良で非公開になったリンリンは1日だけで復帰しましたが、本日(26日)再び非公開になりました。
リンリンの体調回復を心から願います。
27日付記 27日(日曜日)には再公開になっていました。ただし現在の状況を考えると、ジャイアントパンダ見学が目的で上野動物園へ行かれる方は、確認したほうがよろしいかと思われます。
- 2008/04/26(土) 22:24:13|
- パンダ [Giant Panda]
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4